1. なぜあなたの話は伝わらないのか?
まずは根本的な問いから始めましょう。あなたの説明がうまく伝わらない理由、本当に分かっていますか?
田中先輩
鈴木さん
田中先輩、ちょっといいですか?昨日の会議で私の提案、全然伝わらなくて…みんな首を傾げてて、すごく落ち込んでるんです。
あー、昨日の件ね。俺も見てたよ。鈴木さん、一生懸命だったのはわかるけど、正直何が言いたいのかよくわからなかった。
そこがまず問題なんだよ。「自分が伝えやすいように準備した」でしょ?相手が「理解しやすい」ように準備したわけじゃない。
…違うんですか?同じことじゃないんですか?
「相手のせい」にして終わりにしても、何も解決しません。「そもそも伝わらないのは当たり前」という前提に立ち、それでも伝わるよう工夫することが、本当のプロのコミュニケーションです。
人間って相手の話の80%は聞いていないって言われてるんだよ。それが現実。だったら残りの20%でどれだけ刺さる話ができるか、そこを考えるべきじゃない?
だからこそ「伝え方」を工夫する価値があるんだよ。まずは「伝わらないのは自分の伝え方に原因がある」という前提を持つことが第一歩。
なるほど…自分起点で考えるってことですね。ちょっと耳が痛いですけど、確かにそうかも。
2. 話す前に思考を整理する3ステップ
伝わる説明の土台は、口を開く前から始まっています。頭に思い浮かんだことをそのまま話しても、相手にはなかなか届きません。
伝える目的を明確にする
「この話で相手にどう動いてもらいたいか」を一言で言える状態にする。目的が複数あると聞き手が混乱します。
相手の知りたいことを明確にする
自分の言いたいことと、相手が知りたいことは別物。相手の立場・役割・関心事から「何を聞きたいか」を想像する。
ギャップを埋めるために必要なことを考える
「自分の目的」と「相手の知りたいこと」のズレを特定し、そのギャップを橋渡しする情報を準備する。
田中先輩
鈴木さん
まず口を開く前に、頭の中を整理する。これが絶対的な大前提。鈴木さん、昨日の提案、何のためにしたの?
え、新しい業務フローの改善を提案したくて…あとコストも削減できると思って…それと、チームの雰囲気も良くなるかなって…
「時間がかかる」という批判はもっともですが、「伝わらないことのコスト」は往々にして見逃されがちです。 準備の3ステップは習慣化すれば自然と速くなります。
3. 相手が理解しやすい「話す順番」とは
思考の整理ができたら、いよいよ「どの順番で話すか」が重要になります。ビジネスでは起承転結は向きません。なぜなら「転」まで何が言いたいのか分からないからです。
前提を揃える
「今月の業務コストが予算より15%超えています」のように、話の背景・状況を最初に共有。聞く側の「チャンネル合わせ」ができます。
結論・主張を先に言う
「だから私はこうすべきだと思います」を早めに。ビジネスパーソンは忙しい。結論が遅いと「で、何が言いたいの?」となります。
根拠・理由・事実(2〜3点に絞る)
なぜそう思うかを客観的な事実・データで裏付ける。根拠は「強いもの3つ」に絞る。10個の薄い根拠より3個の強い根拠が説得力を持つ。
結論+相手に促したいアクション
「だから〇〇をお願いしたいです」「今日中に判断をいただけますか」のように、相手が次に何をすべきかを明示して締める。
田中先輩
鈴木さん
でも先輩、結論を最初に言っちゃうと、根拠を聞かずに「それは無理」って切り捨てられそうで怖いんですよ…。
気持ちはわかる。でもそれって結局、根拠に自信がないってことじゃないか?根拠がしっかりしてれば、結論を先に言っても怖くない。
前提→結論→根拠→結論+アクション!この順番で話せば、相手が自然についてきてくれそうです。昨日の提案、作り直してもう一度チャレンジしてみます!
しかし、特に上司への報告・連絡・相談の場面では、相手の時間を尊重する観点から結論ファーストが有効です。「最初に結論を言う=相手を急かす」ではなく、「相手が情報処理しやすいよう配慮する」という視点の転換が重要です。状況や相手に応じた使い分けが本当のコミュニケーション力です。
まとめ:相手の立場になって、何を伝えれば動いてもらえるかを考えよう
「伝わらない」のは相手のせいではなく、伝え方の設計が足りていないサインです。
話す前に目的を絞り、相手の視点に立ち、伝わる順番で話す——この3つを意識するだけで、あなたのコミュニケーションは見違えるほど変わります。
最初は慣れなくて当然。まず明日の報告から、ひとつだけ試してみてください。